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執筆者の写真黒田研二

『忍者大戦 赤ノ巻』

9月11日、光文社文庫より『忍者大戦 赤ノ巻』が発売されました。

先月発売の『忍者大戦 黒ノ巻』に続く、本格ミステリ作家が書いた忍者小説アンソロジー第2弾であります。

僕は徳川家康の伊賀越えを題材にした「怨讐の峠」という短編を書かせていただきました。


ここ数年、ずっと『青鬼』関連の仕事に専念していたため、完全オリジナルの小説を発表するのは『ドライブ』以来、実に4年半ぶりのこと。

ひさしぶりのオリジナル。しかも、今まで一度も書いたことがない歴史ものです。いやあ、あれこれ苦労しました。

どちらかといえば、歴史は苦手な分野で、歴史小説なるものもほとんど読んだことがありません。

そんな僕がこのような仕事を引き受けてもよかったのだろうか? と不安になりつつ、時間を見つけては忍者関連の資料をあさったり、地元三重県の伊賀忍者村に出かけたり。付け焼刃ではありましたが、普段ほとんど資料など調べない僕が、珍しく頑張りましたよ。

伊賀越えを選んだ理由は至極単純で……ホントはこんなことを明かすべきではないのかもしれませんが、「伊賀 忍者」でネット検索して、まず目についたエピソードがこれだった……というただそれだけの理由だったりします(汗)。

そこから伊賀越えに関してさらに調べ、天正伊賀の乱で織田軍に攻め込まれた伊賀者が、なぜ織田の配下だった徳川に協力したのか? という素朴な疑問から、「伊賀越えに協力した忍者は、実は家康の暗殺を企んでいた」という今回のお話を思いつきました。

プロットを組み立てていくうちに、史実の隙間を想像で埋めていく作業が楽しくなってきて、なるほどこれが歴史小説の魅力なのかと、いまさらながらそんな当たり前のことに気づいた次第。

機会があるなら、「怨讐の峠」の主人公・音吉のその後も描いてみたいです。


とにもかくにも、勝手がわからぬまま手探り状態で書いた作品なので、これが果たして面白いのかどうか僕自身にはまったく判断がつきません。

ただ、僕以外のかたの作品は間違いなく面白いことを保証しますので、ぜひお手にとって読んでみていただければと思います。



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